日時 | 2021年2月27日(土)16:03 |
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試合会場 | ヤンマースタジアム長居 |
試合結果 | 2-0 セレッソ大阪勝利 |
2年間指揮を執り、安定した成績を残したロティーナ監督との契約を更新せず、過去3度セレッソを指揮したレヴィー・クルピ監督を4たび招聘するという決断を下したセレッソ。2021年シーズン開幕の相手はネルシーニョ監督率いる柏レイソルだったが、不安な面を覗かせつつも勝利でシーズンをスタートさせることに成功した。
32 豊川 |
20 大久保 |
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10 清武 |
17 坂元 |
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4 原川 |
25 奥埜 |
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14 丸橋 |
15 瀬古 |
33 西尾 |
2 松田 |
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21 ジンヒョン |
この試合のセレッソのフォーメーションは、GKがキム・ジンヒョン、DFラインが左から丸橋祐介、瀬古歩夢、西尾隆矢、松田陸、ボランチが原川力と奥埜博亮、左SHが清武弘嗣、右SHが坂元達裕、2トップが大久保嘉人と豊川雄太という4-4-2。このうち新加入選手はボランチの原川、FWの大久保の2名。前者は鳥栖から、後者は東京ヴェルディから獲得した選手だが、大久保は2007年にセレッソから神戸に移籍して以来、15年ぶりの古巣復帰となる。また、2017シーズンから2020シーズンの4年間にわたってセレッソのDFラインの中心選手であり続けたCBのマテイ・ヨニッチが中国の上海申花に引き抜かれ、空席となった右CBの位置にはセレッソU23出身の西尾が抜擢された。西尾は昨シーズンはトップチームでの出場は1試合もなく、実質的にはこの選手も新顔だと言える。
9 クリスティアーノ |
19 呉屋 |
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10 江坂 |
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26 椎橋 |
18 瀬川 |
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7 大谷 |
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4 古賀 |
44 上島 |
25 大南 |
6 高橋峻 |
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17 スンギュ |
一方の柏レイソルは、GKがキム・スンギュ、DFラインが左から古賀太陽、上島拓巳、大南拓磨、高橋峻希、アンカーが大谷秀和、左IH(インサイドハーフ)が椎橋慧也、右IHが瀬川祐輔、トップ下が江坂任、2トップがクリスティアーノと呉屋大翔というラインナップ。柏は昨シーズン、4-2-3-1のほか、4-1-4-1や4-3-1-2、更に試合によっては3バックも交えて戦っていたが、そのサッカーの中心にいたのは昨シーズン28得点を記録しJ1リーグ得点王にも輝いたケニア人ストライカー、マイケル・オルンガだった。そのオルンガがカタールリーグのアル・ドゥハイルへと移籍し、今シーズンはクリスティアーノと呉屋を2トップに置く4-3-1-2でのスタートとなった。
さて、前半の序盤は柏の方が高い位置からプレスをかけてセレッソを押し込む展開となった。
柏の方はセレッソの最終ラインでのボール回しに対して2トップのクリスティアーノと呉屋、そしてトップ下の江坂が3トップ的にプレスをかける。2トップのうちボールサイドの1枚がセレッソのボールサイドのSBを、トップ下の江坂がセレッソのボールサイドのCBを見て、2トップの残り1枚がセレッソのもう一枚のCBを見る、という形である。この形から、IHの2枚がセレッソの2ボランチを、ボールサイドのSBがセレッソのボールサイドのSHを見る、という形でマッチアップを合わせて捕まえに来る。前半序盤のセレッソは、この柏の前からのプレスを抜け出せず、ハーフウェーラインすら越えられないという状況になっていた。
この試合のスタッツを見ると、前半15分のボール支配率はセレッソ34.5%に対して柏が65.5%。シュートもセレッソの1本に対して柏は6本と一方的だったことが分かる。ただ、浴びたシュートの中で多かったのはCKからであったり、そのこぼれ球からであったりで、崩されてのものではなかった。失点しそうだったのは2回で、1回は前半1分に中盤の空中戦の流れで前に出た松田が江坂のドリブルで裏を取られ、江坂がファー側、瀬古と丸橋の間に走りこんだ呉屋に向けてクロス、呉屋が右足ボレーで合わせようとしたがうまく当たらなかったシーンと、もう一つは前半7分に柏のCB大南のロングボールに対してセレッソのCB2枚と松田の間でラインが統一できておらず、松田と西尾の間からクリスティアーノに抜け出されてシュートを撃たれたシーンで、どちらかというと戦術的な問題というよりは個人の問題だったと思う。柏の攻撃の形としては、IHの1枚は必ず前に上がって、セレッソのCB・SB・SH・ボランチの間、ハーフスペースに入る、という形が繰り返し行われていた。IHがハーフスペースに入ることでセレッソのSHとSBは中に絞るので、大外で柏のSBがフリーになれる。中央は2トップがセレッソのCBに対して数的同数なので、そこに向けたクロス、更にはセレッソのCBが柏の2トップを見ることで江坂をフリーにする、という形を狙っていたのではないだろうか。ただ綺麗に形を作れたシーンはなく、柏の方もオルンガという攻撃の絶対的なターゲットがいなくなった中での最初の公式試合なので、まだ攻撃に関しては再構築中という感じだった。
一方、前半15分を過ぎたあたりから、セレッソの方もボールを持つ時間帯が増えて行く。持てるようになったのはセレッソのボランチの原川と右SH坂元の立ち位置が少し変わったから。この時間帯あたりから、原川は味方のCBがボールを持つとCBの脇に下りるようになった。原川がCBの左(柏から見ると右)に下りると、柏の方は江坂が付いて行く。呉屋は丸橋を見るので、逆サイドのクリスティアーノはセレッソの2CBと松田の3枚を見ることになる。この形でクリスティアーノのサイドにボールが回ってくると、柏の方はクリスティアーノが西尾に対応し、松田には左IHの椎橋が当たりたい。上述の通り柏の方はIHがセレッソのボランチを見るのが基本だが、下りていく原川には江坂が付いているので理論上IHの1枚は余っている。しかし、セレッソの方は右SH坂元が中に絞ったポジション、椎橋と柏の左SB古賀の中間に立つようになっていて、椎橋が松田に当たると坂元が空く、古賀がSBのポジションを捨てて坂元に当たりに行くと柏のCBの脇が空く、という立ち位置になっていた。結果、松田にはクリスティアーノが付いて行くしかなくなり、西尾がフリーになる。前半序盤の坂元は少し高めのFW的な位置取りであったり、サイドに開いた位置取りをしていたのだが、そこを少し変えたことでセレッソの方はDFラインがボールが持てるようになった。
スタッツを見ると前半16分から30分のボール支配率はセレッソ60.8%、柏39.2%、シュートはセレッソ9本に対して柏0本。つまり序盤とは逆にセレッソが試合を支配する形になったのだが、セレッソの方はボールを持てるようになったので中盤で繋いで崩して行く、と言うよりは、むしろDFがフリーでボールを持ったらどんどん前に蹴って行く、という攻撃だった。そして実際のところ、それがかなり効果的でもあった。なぜ効果的だったのかと言うと、柏の方は最初に書いた通り高い位置からボールを奪いに行くサッカーをしていて、そうなると必然的に最終ラインも高くなるわけだが、柏のDF陣はラインを押し上げつつも裏を取られないように戦うことにあまり慣れていない感じで、その一方で、セレッソの大久保と豊川の2トップはそういう裏を取る駆け引きを非常に得意としていたから、というのが一つ。そしてもう一つは、柏の方はDFラインの前がアンカー1枚なので、構造上、裏を狙ったボールを跳ね返してもセカンドをセレッソに拾われやすいから、というのもあったと思う。
前半20分にはGKジンヒョンからのロングボールに対して豊川が引いてきて柏のCB上島を釣り、その裏に大久保が走ってジンヒョンからのボールを受けると言うシーンがあった。大久保はボールをキープして坂元に落とし、坂元が中に運んで左足でクロス、豊川がボレーで狙うが柏のGKスンギュが弾いてCKになった。
続く前半23分には柏陣内中ほどでボールを持った松田が柏のDFラインの裏に走った清武に向けてパス、柏のCB大南がカットしたが、こぼれたボールを豊川が拾って坂元に落とし、坂元がPA内ニア側の清武に当てて清武がファーサイドの大久保にクロス、大南の頭に当たって空中に上がったボールを大久保がボレーすると見せかけて豊川に落とし、豊川がシュート、と言うシーンがあった。
そして前半34分、この試合の行方を大きく左右するシーンがあったのだが、これもセレッソのロングボールが発端だった。
このシーンではセレッソの左SB丸橋がセレッソ陣内左サイドでボールを持ち、柏のDFラインの前にいた大久保に向けてロングボールを蹴ったのだが、柏の方は右CBの大南がサイドに開いた清武に気を取られてそちらに少し引っ張られてしまい、大南と上島の間にギャップが出来て、そのギャップで大久保にボールを受けられてしまった。更に、上島が不用意に足を出して大久保に入れ替わられてしまい、焦った上島が手を出して大久保を後ろから倒して、これがDOGSO(決定的な得点機会の阻止)と判定されて一発レッドで退場となってしまった。
柏の方は止む無く呉屋を下げ、CB染谷悠太を投入。左CBが染谷、右CBが大南、中盤が左から瀬川、大谷、椎橋、江坂と言う4-4-1に。
9 クリスティアーノ |
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18 瀬川 |
10 江坂 |
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26 椎橋 |
7 大谷 |
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4 古賀 |
15 染谷 |
25 大南 |
6 高橋峻 |
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17 スンギュ |
ただこれは守備時の形で、攻撃時にはここから変化する形をとっていた。その点については後述する。
柏としては前半の段階で退場者が出てしまっただけでも痛恨だったはずだが、前半41分にはセレッソが先制点を奪い、これで柏の方はかなり苦しく、逆にセレッソの方はかなり楽になった。
この先制ゴールのシーン、セレッソの方はまず坂元が大外に開き、松田がその内側のハーフスペース、染谷、古賀、瀬川、椎橋の中間にポジションを取った。坂元が大外、松田がその内側、というのはロティーナ監督時代に熟成された形だが、この形から右CB西尾が坂元にパス、坂元が中にカットインして、それと入れ替わるように松田が大外に流れ、坂元が奥埜に落として今度は坂元がハーフスペースに入った。そして奥埜から原川、原川からもう一度ハーフスペースの坂元へ。坂元はゴール前の大久保に出そうとしたが染谷に阻まれ、こぼれたボールを今度は外側の松田に展開。松田がゴール前ニア側、染谷が坂元に対応したことで空いたスペースに向けてクロスを上げ、これに大久保が頭で合わせてゴールネットを揺らした。
この大久保のゴールは非常にストライカーらしいゴールだった。染谷が前に出て、スペースが出来た時点でそこでシュートするイメージは出来ていたと思うのだが、そのスペースにすぐには入らず、まず大南の方にプルアウェイで開いてスペースを残しておいて、クロスのタイミングで入って行った。そしてヘディングも、ニア側でボールに薄く触ってファー側に決めるというかなり難しいもの。セレッソに昨シーズンまで所属していたブルーノ・メンデスもヘディングの上手いFWだったが、大久保のこのゴールはメンデスに匹敵する上手さだったと思う。
前半は大久保のこのゴールで1-0で終了し、後半。柏の方はカードを2枚切ってきた。ボランチの大谷と椎橋を下げてMFヒシャルジソンと三原雅俊を投入。三原が左ボランチ、ヒシャルジソンが右ボランチという並びになった。
9 クリスティアーノ |
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18 瀬川 |
10 江坂 |
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27 三原 |
8 ヒシャルジソン |
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4 古賀 |
15 染谷 |
25 大南 |
6 高橋峻 |
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17 スンギュ |
交代の意図は完全には分からないが、試合開始時点の人選は当然3ボランチを前提にしていたと思うので、2ボランチに変える上で人も変えた方がいい、という判断だったのか、もっと単純に、開幕1試合目なので最初から複数選手を試すつもりだった、と言うことかもしれない。
上で少し書いた通り、柏の4-4-1は守備時の形で、攻撃の時はここから変化して、右SHの江坂が中央やクリスティアーノの近くに移動する。言わば江坂がSH的なタスクとトップ下的なタスクを兼務する形になっていて、一人少ない状況を江坂の一人二役で補う、と言う形になっていた。また、守備時には左SHとなる瀬川も、ボール保持時はサイドに張らずにハーフレーンで味方SBの斜め前にポジションを取るIH的なタスクになっていた。つまり攻撃時の柏は江坂が中に移動して中盤が3枚になる4-3-1-1と表現することができる。
一方セレッソの方は、相手が一人少なくなった上に1点リードを奪い、かなり有利な状況で後半を迎えたはずだが、後半のサッカーの内容は前半より寧ろ悪くなっていた。
悪くなった理由の一つは、後半はボールの動かし方がサイドや裏一辺倒になってしまい、ハーフスペースをうまく使ってボールを動かすことができなかったから。ただ、そう言う攻撃になってしまった原因の一つとしては、前半、そして後半序盤の柏の最終ラインのコントロールが物凄く悪かったので、そこが狙い目に見えた、と言うのもあったと思う。上島の退場シーンもそこが原因だったし、その後、染谷が入った後はそれがより顕著になった。柏の方が1枚減ったのもあってセレッソのDFがフリーでボールを持っているのに、柏の方はラインが全然揃っていない、と言うシーンが何度もあったので、そこを狙っていけば簡単に点が取れる、と言うことだったのかもしれない。
ただ、後半10分過ぎぐらいからは流石に柏の方もDFラインが揃うようになってきて、にもかかわらずセレッソの方は2トップも左SHの清武も全員裏を狙って相手の最終ラインと駆け引きしている、ハーフスペースには誰もいない、と言うサッカーになっていたので、それだと数的優位を活かせない。唯一、右SHの坂元は忠実にハーフスペースに入るシーンが多かったが、後半は柏の方も前から奪いに行く守備はやめて、まず引いて前後も左右もコンパクトにする、ハーフスペースも閉める、という対応になっていたので、坂元のところもあまり上手く使えなかった。それだったらむしろ、先制シーンのように、松田を中に入れて、坂元は大外から仕掛けさせた方が良かったかなと。
セレッソは後半15分には先制ゴールを挙げた大久保を下げてFW高木俊幸を投入。高木が左SH、前線が清武と豊川の2トップとなった。この高木もサイドや裏で受けたがるタイプなので、セレッソの方はより間で受ける選手が少なくなってしまう。寧ろ、一人少ない柏の方が、上述の4-3-1-1の可変システムで、特に左の瀬川がセレッソの守備陣の間で受けることが出来ていて、ボールを意図通りに運ぶことが出来ていたように思う。
また、後半21分には、高木のサイドからピンチを招くシーンもあった。これは高木が入ったからと言うより監督が変わったからかもしれないが、セレッソの方はサイドの守備対応がゾーン的な守備ではなくマンツーマン的な守備になっていて、そこからピンチになった。このシーンではまずサイドでボールを持った柏の右SB高橋峻に高木が当たりに行って、高橋峻が内側にいた江坂にボールを落とすと、丸橋が江坂への対応に出つつ、高木に対しては高橋峻に付くよう指示した。しかしここは、ゾーン的に守るのであれば高木を江坂に当たらせて、丸橋は中や裏のスペースにボールを通されないよう絞るのが正解である。丸橋が前に出る、高木は開いた位置にいる、ということになると、高橋峻が丸橋の裏に走ると高木は外から内に向かって走ることになり、必ず守備で後手に回る。このシーンでは江坂から丸橋の裏に浮き球のパスが出て、そこにサイドから中へ、高橋が高木と入れ替わりながら斜めに走りこみ、セレッソの方は瀬古が対応に出た為クリスティアーノがフリー、高橋のパスにクリスティアーノがうまく合わせられなかったため失点にはならなかったが、失点していてもおかしくないシーンだった。
後半25分にも同じようなシーンがあり、やはり柏のSB高橋峻がサイドでボールを持ち、今度は丸橋が対応に出たのだが、その時高木は丸橋の内側のスペースをケアしなければならないところ、高橋峻の後ろにいた江坂の方を気にして丸橋と縦並びのようなポジションを取ってしまっていた。これもゾーンで守るチームがマンツー的になってしまった時の悪い例で、この形になると丸橋と高木の間にパスを通されてハーフスペースで相手に受けられてしまったり、間をドリブルで抜けられてしまったりする。このシーンでは丸橋と高木の間からハーフスペースにパスを通され、そこに柏のボランチ三原が走りこんだのだが、奥埜のカバーがギリギリ間に合って事なきを得た。
実は、攻撃の時にハーフペースに人がいないであったりとか、守備の時にハーフスペースをうまく守れていないであったりとかは、随分前に同じ指摘をしたことがあって、それはユン監督が退任した時である。
来シーズンのセレッソの課題
つまり今季のセレッソは、もう既にロティーナ監督が就任する以前の状態が顔を覗かせつつある。もちろん、監督が代わってやり方が色々変わるのは当然のことだが、良かった部分はなるべく残すべきなので、そこはちゃんと維持してほしい。
結局セレッソは後半は終始ロングボールや裏狙いというサッカーで、そうなるとボールが行ったり来たり、あるいはカウンターの応酬のようなサッカーになり、数的優位は殆ど活かせなかった。
しかし後半39分、セレッソの2点目が生まれたのはこのロングボールからだった。この時間帯、セレッソの方は2トップが奥埜と加藤陸次樹(後半25分に豊川に替えて投入)に変わっていたのだが、加藤がジンヒョンからのパントキックに対して引いていく動きに柏のCB染谷が遅れてしまって加藤に全く競れず、加藤が柏のDFラインの裏のスペースに頭でボールを落としてそこに奥埜が走りこんだ。ここでボールが奥埜と柏のGKスンギュ、柏のもう1枚のCB大南、柏の右SB高橋、そしてサイドから中に入ってきたセレッソの左SH高木の間でスクランブルな状態になり、高木がボールをシュートしようとしたがスンギュが足で触ってこぼれ、こぼれ球を加藤がシュートするが右ポストに当たって跳ね返り、また高木の前にこぼれるが高木のシュートが柏の選手に当たって、最後はこのボールを後ろから走りこんできた坂元が蹴り込んで、セレッソが2点目を挙げた。
試合はこのまま2-0で終了。セレッソとしては愚直に裏狙いをした結果、数的優位を活かせなかったが、最後はそれが得点に結びついたので、結果的には正解だったという、ちょっと内容を評価するのが難しい試合になった。逆に柏の方は、試合序盤からずっとあった弱点が、結局最後にも出てしまった、という結果になった。
セレッソの次の相手は早くも王者川崎。正直今の状態で当たるのは不安もあるが、善戦を期待したい。