ロストフに散る。2018FIFAワールドカップ 日本代表 VS ベルギー代表

日時 2018年7月2日(月)27:00※日本時間
試合会場 ロストフアリーナ
試合結果 2-3 ベルギー代表 勝利

もはや完全に今更なのだが、日本代表とベルギー代表の試合の戦評を書いてみることにする。
ご存知の通り、日本代表はロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦でベルギー代表と対戦。この試合に敗れたことで、日本代表のワールドカップは幕を閉じた。日本の最後の戦いはいかなるものだったのか。今後忘れないために、書き残しておくことにしたい。

日本代表フォーメーション
15
大迫
14
10
香川
8
原口
17
長谷部
7
柴崎
5
長友
3
昌子
22
吉田
19
酒井宏
1
川島

この試合の日本代表のフォーメーションは、大迫勇也を1トップに置く4-2-3-1。グループリーグ最後の試合、ポーランド戦ではスタメン6人を入れ替え、レギュラー組の大半を休ませる、という判断をした日本だったが、それは当然、この試合をベストメンバーで臨むため。よってこの試合では、グループリーグ1戦目、コロンビア戦でのスタメン組がそのまま名を連ねた。

ベルギー代表フォーメーション
9
ルカク
10
Eアザール
14
メルテンス
11
カラスコ
7
デブライネ
6
ヴィツェル
15
ムニエ
5
ベルトンゲン
4
コンパニ
2
アルデルワイレルト
1
クルトワ

一方のベルギー代表は、ロメル・ルカクを1トップ、2シャドーにエデン・アザールとドリース・メルテンスを置く3-4-2-1。ベルギーの方も、グループリーグ最終節イングランド戦では、すでに突破を決めていたこともあり、主力の殆ど全てを休ませている。イングランド戦から引き続きスタメンとなったのは、GKクルトワのみである。
なお、以降の文章で特に記載がない場合、「アザール」は兄のエデン・アザールの方である。弟のトルガンはこの試合での出場機会は無かった。

さて、試合が始まった直後の日本の守備だが、格上のベルギーに対して引いて守ろうとするのではなく、まずは前から、積極的にベルギーのボール回しを封じ込めに行こう、という守備だった。
日本の前線からの守備の基本は、1トップの大迫とボールサイドのSHで、ベルギーの3バック中央のコンパニとボールサイドのCBを見る、そしてトップ下の香川と逆サイドのSHでボランチのヴィツェルとデブライネを見る、という形。
一方ベルギーの方は、3バックのボール回しが相手のプレスに捕まりそうになると、3バックの右側、アルデルワイレルトの脇のスペースにヴィツェルもしくはデブライネが下りてきてボールの預けどころになるのだが、日本の方はそこは香川が追いかけて行くのではなく、乾が出て行く、ということになっていて、3バック+下がったボランチで4バック化したベルギーに対して、左から乾、香川、大迫、原口の4枚で対応する、という形になっていた。
また、その時の後ろの形はと言うと、2CBの吉田と昌子で相手の1トップのルカクを見て、2ボランチの長谷部と柴崎でシャドーのアザールとメルテンスを見る、両SBは相手のWBのカラスコとムニエを見る、と言う形。前線の4人が方向を限定しながら相手の3バック+2ボランチの5枚を見てくれているので、後ろは数的優位で守れるようになっていた。

一方、日本がポゼッションする時は、SBがボールの預けどころ。ベルギーは守備の時には5-2-3のような形になるので、4バックの端はフリーになる。これまでの試合のようにボランチを最終ラインに落とすことはあまりせず、する場合はSBがボランチよりも高い位置を取っていた。
狙いはSBから、相手ボランチの脇のスペースに絞ったSHへの斜めのパス、もしくはバイタルのトップ下 or 1トップへのパス、更にはそれを囮に、裏に走った選手へのパス、というものが多く、さらに日本はベルギーのWBのところでSHとSBが数的優位になれるので、そこも狙いどころになっていた。

前半15分ぐらいから、ベルギーの方はボランチを3バックの脇に落とすのをやめ、3バック自体が横幅を広げてボールを保持する形が多くなった。
日本は前線の4枚でベルギーの3バック+2ボランチを見ているので、広げられるとボランチへのコースを切れなかったり、WBに展開されるシーンが出てくる。試合序盤のように、前で限定出来ている状態でWBにボールが回ってくる場合は、日本の方はSBがそこに対応できるのだが、限定出来ていない、オープンな状態でWBにボールが回ってきた時は、CBとの間にスペースを空けない、ということを優先しないといけないので、SBがWBに対して飛び出す、というのは難しくなる。よって、WBに展開された時は、SHが全速力で戻るか、SBが出て行かざるを得ない場合はSBとCBの間にボランチが下りてスペースを埋めることになる。どちらの場合も守備位置を下げることになるので、この時間帯あたりからは、ベルギーが押し込む展開になって行った。

日本の方からすると、押し込まれるとSHがベルギーのWBのポジションに引っ張られる、そうなるとベルギーの2ボランチを香川一枚で見れなくなる、その状態でベルギーのボランチにボールが渡ると日本の方もボランチが出て行かざるを得ない、そうなると2シャドーが空いてしまう、ということで危険なシーンは何度かあったものの、失点するには至らず、試合は0-0で後半に入ることとなった。

そして後半3分、日本のゴールで試合が動いた。
日本から見て左サイドでボールを保持したベルギーのシャドーのメルテンスとWBムニエがワンツーのパス交換。ここでメルテンスからの落しを乾がカットし、ボールを回収したところからカウンターが発動した。ワンツーからのパスカットだったため、メルテンスとムニエはボールと入れ違いになってしまい、ボールとベルギーのゴールまでの間にはヴィツェル、デブライネの2ボランチと3バックの合計5枚のみ。ボールをカットした乾の前には香川がいて、香川がボールを見ながらヴィツェルとデブライネの間のスペースにスッと引いた。
狙ってそうしたのか、たまたまだったのか、いずれにせよ、香川がその動きを入れたことで、デブライネが香川の方に引っ張られ、中央にカウンターのスペースが空いた。香川の動きに呼応して柴崎が空いたスペースに動き、同時に右サイド、原口がサイドに膨らむようにスプリントを開始した。柴崎はスペースで乾からボールを受けると、原口の足元ではなく、原口が膨らんだことによって出来たコンパニとベルトンゲンの間にスルーパス。ベルトンゲンが僅かに触ったが、カットするまでには至らず、原口はベルトンゲンの裏でこのボールに追いつくと、一度シュートフェイントを入れてGKクルトワをニアに引き寄せ、ファーサイドにシュート。これが見事に決まった。発動から最後のシュートの冷静さに至るまで、全てが完璧な、美しいカウンターだった。

そして更に後半7分、日本は畳みかけるように2点目を挙げる。
中盤に下がったメルテンスから、入れ替わって上がったデブライネへのパスを吉田がカットし、左サイドに開いた乾にパス。乾はムニエと対峙しながらドリブルし、ゴール前の大迫にインスイングのクロス。これはコンパニが跳ね返したが、浮き球になったボールを香川がバイタルで胸トラップ、更にボールを落とすことなく、次のトラップで寄せてきたヴィツェルの逆を取って左外に運んで、入れ替わる形で中央に寄ってきた乾にボールを落とすと、乾がファー側に向けて巻くようなシュートを放った。
パラグアイ戦の戦評で述べたとおり、乾と香川、この2人は相方の背中を使うのが上手い。シュートの直前のシーン、乾は香川の背中側にいたので、普通だったら追い越して前に選択肢を作りたくなるところだが、この2人は背中を向けていても相手の位置が分かっているし、相手が分かっていることも分かっているので、自分が良い位置にいればそこから動かない。そしてパラグアイ戦からこのワールドカップに至るまで、乾は何度も左サイドから、ファー側に良いシュートを放っている。
乾のシュートはクルトワの伸ばした手の外側を舐めるように飛び、ゴールネットを揺らした。

2点のビハインドとなったベルギーは、後半20分、メルテンスを下げてマルアン・フェライニ、カラスコを下げてナセル・シャドリを投入。ポジションの変更はなく、フェライニはメルテンスのいた右シャドーの位置に、シャドリはカラスコのいた左WBの位置に入った。ただ、ホームポジションこそ変わっていないものの、流れの中でのポジショニングは変わっていて、この交替以降、ボールを持った時のベルギーは、デブライネを上げ、ヴィツェルをアンカーに置く3-1-4-2のような形を見せるようになった。

ベルギー代表フォーメーション(後半20分以降)
9
ルカク
10
Eアザール
22
シャドリ
7
デブライネ
8
フェライニ
15
ムニエ
6
ヴィツェル
5
ベルトンゲン
4
コンパニ
2
アルデルワイレルト
1
クルトワ

この交替の意図を考えるために、ここまでの試合の状況を説明したい。
ベルギーの方は前半、シャドーの選手がCBやボランチの縦パスのコースに覗く、という動きが少なくて、そこが攻撃が停滞していた一つの要因だった。後半はシャドーの選手が縦のコースに覗くようになったのだが、そうなると今度は別の問題が出てきた。
ベルギーのビルドアップの時の最終ラインの形は幾つかあって、前半はニュートラルな3バックの形、次にボランチが3バックの右横に下りてくる形、そしてその次には3バック自体が横に広がる、と言う形があり、更に後半には、左CBのベルトンゲンを左SBの位置に上げ、右WBのムニエが低めにポジションを取って、4バックのような形でビルドアップを行う、と言う形も見せていた。これに対して日本は、1トップ+トップ下+両SHで4トップのようにして守ったり、場合によっては逆サイドは捨てたりと、その都度守り方は違っていたが、共通していたのは前からプレスに行った時に、前プレの裏を使わせないようにする、つまり相手ボランチへのパスコースを切りながらプレスを掛ける、と言うことだった。そうなると、コンパニやアルデルワイレルトがビルドアップのために開いたポジションを取ると、下の図のように、斜め前のボランチへのコースは切られているが、縦パスにはシャドーの選手が覗いているので、そこにはパスコースがある、と言う状態になる。
日本 vs ベルギー1
ただし、日本の方もSBがなるべく絞ってベルギーのシャドーを見ているので、ベルギーの最終ラインからすると、ここにズバッと縦パスを付けるのはかなり勇気がいる。特に右シャドーのメルテンスはアザールやルカクと比べると背負うプレーは余り得意ではないので、真後ろからボールを付けた時にロストする恐れがある。
そうなると結局下図のように、ボランチが日本の前プレを迂回するように広がって、ボールを仲介することになるのだが、ボランチがCBとシャドーの間に覗くと言うことは、3人が縦並びになる、1つのレーンに3人の選手が入ってくる、と言うことであり、渋滞が起こる。
日本 vs ベルギー2

上述の後半20分の交代は、この問題を解消する意図があったはずで、まずメルテンス→フェライニの交代は、後者の方がより、起点になる力、真後ろからのボールを収める力があるから、と言うことが理由だったと思う。そしてシャドリの投入については、デブライネのポジショニングの変更とセットになっていて、交代以降、ベルギーがボールを持った時は、デブライネはヴィツェルをアンカーの位置に残して左前に出て行く、その時、シャドリは逆に中、シャドーの位置に入る、と言う風に変わっていた。シャドリが空けたWBの位置にはそのままデブライネが開いたり、アザールが開いたり、と言う感じだったので、恐らく、渋滞していた左のレーンに流動性を出したかったのかなと。
また、フェライニ、シャドリはいずれも交代前の選手よりも身長が高いので、日本に対して空中戦の優位性を出したい、と言う意図も当然あったと思う。

ただ、この交代で一番変わったのは、実はアザールのプレーで、日本にとって一番インパクトがあったのも、実はそこだったのではないだろうか。交代以降、アザールがいるポジションにデブライネやシャドリが入ってくるようになったことで、逆にアザール自身はポジションに縛られずに中盤中央に引いてきたり、逆サイドまで流れたりと言うプレーを見せるようになった。アザールはボールを受けさえすれば、相手が近くにいようが、後ろ向きだろうが、まず失わないし、場合によっては前を向いてしまうので、そう言う選手がベルギーのボール回しの要所要所に顔を出すことで、日本としては今まで以上に厳しい守備対応になっていた。

そして後半24分、日本に最初の失点が生まれてしまう。
日本から見て左サイドからのベルギーのCKをペナルティエリア内で長友とシャドリが競り合い、空中に上がったボールをGK川島がパンチング。しかし弾ききれず、ペナルティエリア内に落ちたボールを乾がクリアしたがアルデルワイレルトに当たり、反対サイド(日本から見て右サイド)にいたベルトンゲンの頭上にボールが飛んだ。そして、ベルトンゲンがヘディングでこのボールを中央に折り返したところ、ボールがそのまま、川島の頭上を越えてファー側のネットに吸い込まれてしまった。
ベルトンゲンが最初からゴールを狙っていたのか、それとも中央にはフェライニとルカクが詰めていたので、そこに合わせたつもりが入ってしまったのか、そこはちょっと分からないが、いずれにせよ、ベルトンゲンのヘディングのところで、川島はニアポストに寄り過ぎたと思う。フェライニ、ルカクに合わせるボールが来たと仮定しても、もう少しゴール中央寄りにポジションを取っていないと、やはりファー側が空いてしまう。この失点はGKのミスだったと思う。

そして、上記の失点から僅か5分後。日本がCKの流れから2失点目を喫し、試合は振り出しに。
日本から見て右サイド、アザールが蹴ったCKを吉田がヘディングで跳ね返したがヴィツェルに拾われ、ヴィツェルからボールを受け取ったデブライネが、もう一度アザールに展開。アザールは最初、右足ドリブルでカットインしようとしたが、大迫がついてきたのでターンして縦に方向を変え、左足でクロス。これに交代で入ったフェライニが飛び込んで、ヘディングでゴールを挙げた。
アザールのクロスの瞬間に日本はラインコントロールで対応しようとしていて、最初はフェライニに吉田が付いていたのだが、ラインを上げようとしたタイミングで身体が離れてしまった。ラインで守るのではなくもっとはっきりと人に付いて行くか、ラインで守る場合は、大迫にもっと縦を切って中に誘導するようコーチングするか、いずれかが必要だった。

同点に追いつかれた日本は後半36分、柴崎を下げて山口、原口に代えて本田を投入。柴崎はポーランド戦で休ませられなかった選手の一人で、疲労もたまっているし、かつイエローをもらっていたので、と言うことでの交代。原口に関しては、もう一度リードを奪いに行くために本田の得点力が必要、と言うことでの交代だったと思う。山口、本田はそのまま、前任者のいた右ボランチと右SHのポジションに入った。

日本代表フォーメーション
15
大迫
14
10
香川
4
本田
17
長谷部
16
山口
5
長友
3
昌子
22
吉田
19
酒井宏
1
川島

そして後半ロスタイム。トリガーとなったのはアザールのプレーだった。
ベルギー陣内、日本から見て左サイドからの日本のコーナーキック。キッカーは本田。キックの時点でペナルティアーク付近にいたアザールは、GKクルトワが本田が蹴ったボールをキャッチした瞬間、ベルギーから見て左サイドにダッシュ。アザールには長谷部が付いていたので、長谷部がついて来なければクルトワからのボールを引き出せるし、ついて来れば長谷部が埋めている中央のスペースをオープンに出来る。そして長谷部がアザールを追いかけて、中央のスペースが空いた。
この状況に誰よりも早く気付いたデブライネがダッシュし、クルトワからアンダーハンドで転がされたボールをスペースで受け取ると、完全にオープンな状態でドリブルを開始した。
日本の選手でボールより自陣側にいるのは、ルカクに付いていた長友と山口、そしてアザールを追いかけた長谷部。ベルギーの方はデブライネと並走する形で、デブライネから見て右にムニエ、左にシャドリ、シャドリの更に外前方をアザールが走っている、そしてムニエとデブライネの間には、走って戻る香川がいる、という状況。
日本の方は、ルカクに付いていた長友と山口のうち、山口がルカクを離れて中央のポジションへ。そして、山口とデブライネがセンターサークル付近で会敵した。
ここで山口は、どういう選択をすべきだっただろうか?もうすでに多くのサイトで言われているが、やはり下がるべきだったと思う。もう少し細かく言うと、外に開いていたルカクが長友と並走しながら中に向かって走っていたので、ルカクが走る方に向かって、ルカクをケアしながら下がる、という選択をすべきだった。
日本の方は、香川がデブライネとムニエの間を、デブライネの方に走りながら下がってきていた。香川はCKの瞬間にはショートコーナーに備えてコーナー付近にいたので、カウンターが始まった時点ではデブライネよりも寧ろサイドのムニエの近くにいた。それでもムニエではなくデブライネに寄せたのは、サッカーの攻撃というのは結局、中央に収束するから。香川がムニエを捨ててデブライネに寄せたことで、ムニエがフリーになったが、山口がルカクのコースをケア出来ていれば、デブライネからムニエにボールが出ても、長友がルカクを山口に受け渡してムニエに当たる、香川がデブライネへのリターンを切る、という形で対応できていたはずだった。
しかし、山口はデブライネに対して前に出て対応してしまった。そしてデブライネからムニエにパス。長友がルカクのマークを捨て、ムニエに付きなおす。山口が前に出て対応したので、ルカクに付く人間がいない。逆サイドから戻ってきた長谷部が付く。長谷部が付いたことで逆サイドのシャドリとアザールが空く。ムニエがクロス、長谷部に付かれたルカクがこのボールをスルー、最後はシャドリが押し込んだ。

この失点を食い止められた箇所は大きく3つあったと思う。1つは日本のCKをクルトワがキャッチし、アザールがスペースを空ける動きをした瞬間。だれかがこのスペースを埋める動きが出来ていれば。2つ目は言うまでもなく、山口の判断。そして最後は、ムニエにボールが渡った時の長友の判断。ルカクをフリーにするのであれば、ムニエからルカクへのパスコース(横パス)を切りながら走るべきだったと思う。そうすると今度は、ムニエの縦のドリブルコースが空くので、ムニエが縦に持ち出した場合はシュートを撃たれてしまう可能性があるが、そこはもう、川島を信じるしかない。中に折り返されてルカク、または逆サイドから走ってきている選手にシュートを撃たれるよりは、角度のないところからムニエにシュートを撃たれる方がまだ、失点を防げた可能性はあったように思う。
クルトワがボールをキャッチしてからゴールが決まるまで、およそ12秒。この12秒の攻防で、日本のロシアワールドカップは幕を閉じた。


後半20分のベルギーの交代策が試合の分岐点になったのは間違いない。同点ゴール、逆転ゴールはこの時投入されたフェライニ、シャドリによるものである。ただ、そこにあった戦術的意図(フェライニを入れて右のレーンに縦パスの起点を作る、シャドリを入れて左のレーンに流動性を生む)がそのままダイレクトにスコアに表れた、というわけではなかったと思う。日本の1失点目はセットプレーからのGKのミス、2失点目もセットプレー、3失点目はカウンター。結局今の日本には、監督の采配や戦術的な駆け引き云々以前のところに足りなさがある。
勿論、フェライニとシャドリは空中戦にも期待されていたと思うので、それについては2失点目に表れたと言えるし、何らかの対策は出来なかったのか、と言うところはあるが、監督の力で結果を変えられる何かがこの試合の中にあったとしたら、そこだけかなと。
3失点目については、山口を投入せず、柴崎を残していれば、と言う意見もあるが、2失点目のCKを与えた直前のシーンでは、3失点目のシーンとほぼ同じような、日本のCKからベルギーのカウンターを受ける、と言うシーンがあり、そこでは柴崎が中央のデブライネを離してサイドの守備に出て行ってしまい、バイタルを空けてしまっていた。また、代表に選ばれなかった井手口も、所属するレオネサの監督から、守るべきスペースを空けてしまう、と指摘されていた記憶があり、結局そこは、日本人のボランチに共通する弱点なのだと思う。
ボランチの守備、セットプレーの守備、そしてGKの守備。この3つは、日本がロシアワールドカップから持ち帰る大きな宿題となった。

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