日時 | 2018年2月14日(水)19:45 ※日本時間 |
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試合会場 | 済州ワールドカップスタジアム |
試合結果 | 0-1 セレッソ大阪勝利 |
川崎とのゼロックス スーパーカップの戦いを制し、幸先の良い2018シーズンのスタートを切ったセレッソ。今シーズンの公式戦初戦は、AFCチャンピオンズリーグのグループリーグ、アウェーでの済州ユナイテッドとの一戦だったが、後半ロスタイムの水沼のゴールで、何とか勝利で終えることが出来た。
9 杉本 |
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10 清武 |
8 柿谷 |
16 水沼 |
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11 ソウザ |
6 山口 |
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14 丸橋 |
15 木本 |
22 ヨニッチ |
2 松田 |
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21 ジンヒョン |
この試合のセレッソのフォーメーションは、柿谷と杉本を2トップに置く4-4-2。ゼロックス スーパーカップではCBの木本、ボランチのソウザがコンディション面から先発を見送られたが、この試合ではスタメンに復帰した。
99 チアゴ |
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10 マグノ |
14 チャンミン |
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7 スンヒョン |
40 チャンドン |
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22 スボム |
6 ジンポ |
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2 ダウォン |
20 ヨンヒョン |
37 ウォンイル |
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21 チャングン |
一方の済州ユナイテッドは、前線がチアゴ・マルケスの1トップ、その下にマグノ・クルス、イ・チャンミンを置く3-4-2-1の布陣。マグノ・クルスは2015シーズンにセレッソに所属していた選手である。ただ、このフォーメーションは試合の中で何度か変化していた。
試合は全体的にセレッソがボールを支配する展開だった。
済州の方は最初、引いて守る時はシャドーのマグノ・クルスとイ・チャンミンをサイドに落とした5-4-1、前からハメに行く時は同じシャドーの2枚でボランチを見る、という形で守ろうとしていたのだが、セレッソから簡単にボールを奪えないと判断すると、以降はイ・チャンミンを中盤に落として、クォン・スンヒョン、イ・チャンミン、イ・チャンドンの3枚で中盤を構成し、前線にチアゴ・マルケスとマグノ・クルスを残す5-3-2の形になった。ただし、5-3-2のままだと中盤の横幅をカバーできないので、ボールが逆サイドに展開された時は、中盤の3枚が横ズレするのではなく、逆サイドのWBが前に出てくる、つまり、ボールが右サイドにある時は右WBを上げた4-4-2、中央にある時は5-3-2、左サイドにある時は左WBを上げた4-4-2、というような守り方だった。
また、ポゼッションの時には40番イ・チャンドン、または7番のクォン・スンヒョンが最終ラインに下りて、CBが高い位置を取ることもあったが、セレッソがボールを支配していることもあり、回数はそれほど多くなかった。
ただ、結局上述のいずれの形でもしっくり来なかったのか、前半30分過ぎぐらいから済州は、7番のボランチ、クォン・スンヒョンが前に出て山口に付く、そして14番、シャドーのイ・チャンミンがソウザを見る、そしてその背後を40番のイ・チャンドンがカバーする、という5-1-2-2のような形になり、以降はこの配置で戦っていた。
10 マグノ |
99 チアゴ |
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7 スンヒョン |
14 チャンミン |
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40 チャンドン |
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22 スボム |
6 ジンポ |
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2 ダウォン |
20 ヨンヒョン |
37 ウォンイル |
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21 チャングン |
多分、済州の当初のプランでは、上記いずれかの形でセレッソを前から掴まえたかったのだと思うが、結局掴まえられなかったので、後半は割り切って、低い位置でボールを回収する、そしてボールを持ったらサイドの高い位置に蹴って、起点を作って陣地を回復する、という戦い方をしていた。
サイドの高い位置に蹴る、というのは単純な攻撃なのだが、セレッソは結構手を焼いていて、済州の選手はそういうボールを必死に収めようとするし、それが無理ならファウルを貰ってマイボールのリスタートを得ようとするので、後半はセレッソが自陣で済州のセットプレーを受ける、というシーンが増えた。逆に言うと、そうしたセットプレーをセレッソが悉く跳ね返した、というのが、この試合の結果につながったと言える。
そして上述の通り、試合は後半ロスタイム、水沼のゴールでセレッソが劇的な勝利を挙げた。GKジンヒョンが蹴ったゴールキックのボールを、柿谷との交代で入ったFWヤン・ドンヒョンが相手DFダウォンと競り合い、これは両者ともボールに触れなかったのだが、ワンバウンド後のボールを杉本がヘディングで何とかマイボールにして、ゴールに背を向けながら右足アウトサイドで浮き球を相手DFラインの裏へ。このボールを清武との交代で入った左SH高木俊幸が、相手2枚に付かれながらも強引にシュート、ボールは枠に飛ばなかったが、こぼれ球を済州の6番のパク・ジンポとGKイ・チャングンがお見合いしてしまい、ボールを水沼が押し込んだ。
水沼は天皇杯準決勝の神戸戦、決勝のマリノス戦、そしてこの試合と、いずれも相手のミスを見逃さずに決定的なゴールを挙げている。これだけ続くと、それは決して偶然ではないと思う。
この試合では、前半12分にGKイ・チャングンとCBの20番チョ・ヨンヒョンが松田のクロスに対して両方がボールに行ってしまい、交錯するシーンがあった。
また前半20分にも、清武のロングボールに対して20番のチョ・ヨンヒョンがクリアしようとして空振りしたボールを水沼がシュートする、というシーンがあり、この時もGKチャングンはもう一枚のDF(2番のダウォン)が水沼に対応しているのにゴールマウスから離れて前に出ていて、水沼のループ気味のシュートが枠に向かっていれば、間違いなくゴールになっていた。つまり済州の方は、GKとCBの連携が取れていなかった。
水沼のゴールは、そうした伏線がある中で決まった。それは所謂「持っている」というような運命論や、「諦めないで走っていた」というような精神論では片づけられない。相手がトラブルを起こしそうなところを試合中に観察し、予測している、ということであり、立派な才能だと言える。そして、拮抗する試合であればあるほど、一つのミスが結果を左右する確率は高まるわけであり、そう考えると水沼の才能は、ビッグマッチの中でこそより輝く、と言えるのではないだろうか。