理想を言うならもう1点。リーガエスパニョーラ昇格プレーオフ決勝1戦目 テネリフェ VS ヘタフェ

日時 2017年6月22日(木)04:00※日本時間
試合会場 エリオドロ・ロドリゲス・ロペス
試合結果 1-0 テネリフェ勝利
準決勝1stLeg
リーガエスパニョーラ昇格プレーオフ カディス VS テネリフェ
準決勝2ndLeg
リーガエスパニョーラ昇格プレーオフ準決勝2戦目 テネリフェ VS カディス

カディスを相手に120分間を戦い抜き、昇格プレーオフ決勝に進出したテネリフェ。中2日でホームに迎えた相手はリーグ戦3位のヘタフェである。

テネリフェ フォーメーション
アマト ロサーノ
柴崎 スソ
ビトーロ アイトールサンス
カミーユ ヘルマン ホルヘサエンス ラウルカマラ
ダニ

テネリフェのスタメンとフォーメーションは準決勝1戦目の終盤から固まった感じで、この試合でも柴崎を左SHに、アマトとロサーノを2トップに置く4-4-2を採用。マルティ監督としては、この形が一番攻守において機能していると考えている様子である。またそもそも、試合間隔が短いので、余り色々試す時間もない、ということもあると思う。

ヘタフェ フォーメーション
モリーナ
アルバロ ポルティージョ フステ
ラセン フアルリン
モリネロ カラ カタディアス ダミアン
グアイタ

ヘタフェの方は、準決勝の2戦目は左SHにパチェコという右利きのクロッサータイプ(レスターのオルブライトンのような、左サイドから右足でクロスを入れるタイプ)の選手を入れていたのだが、この試合では前の試合で右SHに入っていたドリブラータイプのアルバロを左SHに入れ、右SHには前節途中出場のフステが入った。
パチェコは前の試合でプレースキッカーも務めており、良いボールを蹴っていたので、この試合スタメンではなかったのは少し意外だったが、フステは前の試合で得点を挙げたので、シンプルに結果を残した選手を、ということだったのかもしれない。
ちなみにヘタフェの前監督は現在ジェフ千葉で監督を務めているフアン・エスナイデルで、彼が成績不振でヘタフェの監督を解任され、今の監督に代わってから順位を持ち直してプレーオフまで進んだ、という経緯がある。

試合の方だが、割とはっきりと、テネリフェのほうが良い、ヘタフェの方が悪い、という内容だった。
ヘタフェのサッカーは、前の試合、昇格プレーオフの準決勝第2戦で始めて見たのだが、守備面で言うと、良く言えば一人一人が頑張る、悪く言えばあまり組織的ではない守備をしていた。基本、人に付いていく守備をするので、SBとCBの間にスペースが出来ることも多く、テネリフェにもチャンスはありそうだな、と思いながらその時は見ていたのだが、この試合では、一人一人もあまり頑張れない、組織的でもない、という守備になってしまっていて、テネリフェのスソ、アマト、ロサーノといった選手にヘタフェの守備の選手が局面局面で負けてしまうことが多く、人に付いていく守備でそういうことが起こってしまうと致命的である。
日程的には、ヘタフェの方が中3日、テネリフェの方が中2日でヘタフェ有利だったのだが、テネリフェの方は前回の試合と今回の試合が続けてホームであるのに対して、ヘタフェの方は、テネリフェ島まで直線距離で1700kmぐらい移動してきているので、その負担の方が大きかった、ということなのかもしれない。

試合は前半21分に柴崎のCKからホルヘ・サエンスのゴールでテネリフェが先制し、そのまま1-0で勝利したのだが、アウェイゴールを奪われることなく勝利できた、というのは勿論喜ばしいものの、この日の試合の内容であれば、もっとゴールを奪えたのではないか、と思ってしまうぐらい、両チームの状態には差があった。
特に、リーグ戦の順位はヘタフェの方が上だったので、準決勝でのテネリフェがそうだったように、2戦目の結果が得点、失点ともにこの試合の逆(つまりヘタフェから見て1-0)だった場合、延長でもそのままだとヘタフェが昇格となってしまう。それを鑑みると、理想としては、やはりもう一点は欲しかった。
テネリフェの守備は良く機能していて、良い奪い方が出来ているのに、その後のプレーで連携が合わなかったり、ボールコントロールに失敗したりしてシュートまで結びつける回数が少なかったのは、非常に勿体ないと感じた。

あと、2トップを採用している理由はどちらかというと中盤は飛ばして、前で起点を作って、という意図だったと思うが、この試合ぐらいボールを保持できるのであれば、(この試合でも流れの中で何回かそうなっていたが)柴崎をトップ下に入れ、アマトを左SHに、という形でも良いのではないだろうか。スペインの場合、ホームとアウェイで全く違うサッカーになることが多いので、難しい判断ではあるが、2戦目はテネリフェが1点取れればヘタフェの方は3点取る必要が出てくるので、少しリスクチャレンジする価値はあると思う。

いずれにせよ、テネリフェの方はプレーオフに入ってからの失点はカディスのアケチェに食らったスーパーゴールの1点のみ、ということでGKを含めて守備はかなり機能しているので、そこは心強い要素である。
残り1戦。柴崎は恐らく、今季のヨーロッパで最後までプレーしている日本人だと思うが、最後に1つ、良い知らせを日本に届けてほしい。