守備をする事で年38回のゴールチャンスを得ていると考えるべき。岡崎慎司のインタビューから

岡崎慎司のインタビューを見た感想を。
岡崎「降格しなかった、胸を張っていいんじゃないかと思う」レスターのプレミア残留決定

まず、このインタビューの岡崎の意見には同意出来る部分と出来ない部分があって、同意出来る部分としては、確かにレスターはラニエリ監督の時も、現在のシェークスピア監督になっても、チームとしてうまくいっていない時には最初に岡崎のところを変える傾向があり、チームのために自己犠牲を強いられている岡崎が自身の評価について疑心暗鬼になってしまうのは仕方がないと言える。
また、毎試合60分前後で交代させられることによって、一番得点が期待できる試合終盤を、ピッチの上で迎えられないという不満も理解できる。

同意出来ない部分としては、岡崎は自分を攻撃面で評価してほしい、守備的な選手という評価はしないでほしい、と考えていると思うのだが、守備面を評価から外してしまえば、スタメンは岡崎より得点を決めているスリマニ、ということになってしまう。
つまり、逆に考えれば、岡崎は守備をすることによって毎試合、60分前後のチャンスを与えられている、ということが出来、そして今のところ、その中で大体1~2回、岡崎にゴールのチャンスは訪れている。そういう風に考えると、プレミアリーグは年間38試合あるわけで、岡崎は守備面を評価されることによって、年間38回のゴールチャンスを得ている、と捉えることも出来る。その中の5つに1つを決めることが出来れば、年間で7~8ゴールとなり、その数字は、今の岡崎のゴール以外の貢献を考えれば、センターFWとして10得点を決めるよりも、ずっと価値が高いと言える。

次に、自分のタイミングでボールが来ない、という点については、両ウィングのオルブライトン、マフレズの最初の選択肢が、「自分でシュートを打つ」ということになっているからだと思う。これは右利きのオルブライトンが左ウィングに、左利きのマフレズが右ウィングに配置されているから、ということもあるし、両者のプレイスタイルや性格面によるところもある。

レスターの攻撃は、傾向として「シュートは早い者勝ち」みたいなところがあって、例えばカウンターの際、岡崎は低い位置で起点になる分、ゴール前に入るのは3番目(最初がヴァーディ、その次が両ウィングのどちらか)になることが多いのだが、そういう遅れて入って来た選手にマイナスのボールを出してフリーでシュートを打たせる、ということをレスターの選手はあまりしない。ボールを持ったらどんどん仕掛けて、そしてシュートを打ってしまう。

そういう中で、岡崎がもっとシュートチャンスを得るには、インタビューにあるように意思疎通を図ることも大事だが、岡崎自身も、そうした傾向に乗っかって、どんどんシュートを狙っていく、シュートエリアを広げる、つまりミドルシュートの精度を追求していく必要があると思う。