香川がドルトムントで常時スタメンを勝ち取るには。ブンデスリーガ第32節 ボルシア・ドルトムント VS ホッフェンハイム

日時 2017年5月6日(土)22:30※日本時間
試合会場 ジグナル・イドゥナ・パルク
試合結果 2-1 ボルシア・ドルトムント勝利

UCLのストレートインか、プレーオフか。
ブンデスリーガの3位4位を争うこの試合、前半4分のロイスの先制点は、リプレイで見れば完全にオフサイドだった。
のみならず、続く12分にはロイスのハンド気味のトラップは見逃され、そのロイスのクロスがホッフェンハイムDFパヴェル・カデラベクの手に当たって、こちらはハンド、PKの判定という、前半はかなりドルトムント寄りのジャッジだった。
しかし、このPKをオバメヤンが外してしまい、この時間帯の攻防が結果的に、この試合の趨勢を大きく左右することになった。
あくまで印象論だが、いわゆる「疑惑のPK判定」の時は、キッカーが外すことも多い気がする。ピッチ上の選手が「今のはPKではなかった」と感じている場合、やはり失敗する確率が上がるのではないだろうか。

試合はそのまま1-0のドルトムントリードで進み、後半37分にゲレイロのシュートがポストに跳ね返ったところをオバメヤンがヘディングで押し込み、前半のPK失敗の帳尻を合わせた。ホッフェンハイムはクラマリッチが後半41分に1点を返すも、追いつくまでには至らず、試合は2-1でタイムアップとなった。

香川真司は後半35分にウスマン・デンベレに替わって途中出場したが、得点、アシストは無し。
トゥヘル監督の香川の起用方法は一貫していて、この試合のように、カウンターが主体となる試合では、香川はスタメン起用されない。また、そうした傾向は香川がマンチェスターユナイテッドに所属していた時のアレックス・ファーガソン監督、日本代表の岡田武史監督にも同様にあったので、現状、香川の評価はそういうところに落ち着いていると言える。
ドルトムントがカウンター主体で臨む試合というのは、国内リーグ戦で言えばバイエルン・ミュンヘンとの試合、UCLで言えば他国のメガクラブとの試合、ということになり、つまるところ、香川は大一番では起用されない、ということになる。
また、今の香川と似たような境遇にある選手というのは他にもいて、レアル・マドリードのハメス・ロドリゲスや、マンチェスターユナイテッドのファン・マタも、なかなかスタメンを確保できていない。昨今のフィジカルコンタクトやスピードが求められるサッカーの中で、彼らのようなファンタジスタタイプの選手は、常時出場機会を得ることが難しくなってきている。

そういう状況を打破するためには、香川は下記のいずれかを改善するしかないのかなと。

  1. 守備力
  2. スピード
  3. 得点力・アシスト力

試合後のインタビューを見ると、香川は3をもっと、と考えているようで、勿論それは正しいのだが、それを常に、というのはどんな選手でも難しいので、1と2を伸ばすほうが、出場機会を増やすには近道なのではないだろうか。
2ボランチの一角としてプレーできるぐらいの守備力があれば、監督としては起用の選択肢が増えるし、スピードについても、吉田麻也や岡崎慎司のように、香川ぐらいの年齢になってから伸びた選手もいる。

そして恐らく、そうした能力は、監督がトゥヘルでなくなったとしても、求められる部分になると思う。

香川「契約の話はシーズン終わってから」/一問一答